関東攻略は至上命題
矢野経済研究所の調査「教育産業白書2012年版」によると、学習塾業界の市場規模は9240億円だという。また、帝国データバンクの調査では、上位20社が、業界収入の約半分を占める寡占状態で、特に、上位陣はほぼ関東拠点のグループが占める(以下は収入高ランキング)。
1 河合塾 471億円
2 KUMON 420億円
3 栄光ゼミナール 299億円
4 東進ハイスクール 210億円
5 市進学院 160億円
6 早稲田アカデミー 159億円
7 能開センター 156億円
8 東京個別指導学院 137億円
9 第一セミナール 126億円
10 秀英予備校 124億円
※収入高は2010年度
前出の塾業界関係者は「中長期的には児童数の減少や、大学全入によって裾野の拡大が難しいことで、生徒集めには苦労しています。大手塾が値下げ競争に入っているので、地方の中小・零細の塾はどんどんなくなって、大手に転塾する子も増るくらいです」ともいう。
札幌を拠点とする進学会としては、関東攻略は喫緊の課題であり、現在は単独進出を進めているものの、やはり栄光や、増進会との業務提携は結んでおくにこしたことはない。訴訟も辞さない、という強い姿勢だった昨年と比べて、態度が軟化したのはそうした背景もありそうだ。一度は閉じられた業務提携の門を開けることができるかどうか。あるいは、激しい戦いが再開されるか。