ヘッジファンド界の帝王シモンズ氏、節税でIRSと係争中だった

 IRS(米国歳入庁)と、ヘッジファンドによる運用益の税金の支払いを巡って法的な係争が行われているが、この当事者が米著名ヘッジファンドのルネサンス・テクノロジーの旗艦ファンド「メダリオン・ファンド」(MEDALLION FUND LP)であることが、ブルームバーグの取材でわかった。

 業界などへの影響の大きさが懸念されるため、審理は非公開で行われているの模様だが、IRSの代理人が、ヘッジファンドの税逃れの「ある手法」を批判した文書が存在している。もちろん、ここには、固有名詞は出てこない。

 手法としては、短期売買を1年以上の長期の取り引きのようにして、低い方の税率を享受していたというもの。

 これは、米国のあるヘッジファンドが、英国のある銀行へバスケットオプション取引の口座を開き、同銀行にポートフォリオの所有権を与えたという。

 そして、そのポートフォリオの価格に連動する2年のオプションをヘッジファンドが購入していたという。管理運用の方法だが、銀行側がポートフォリオマネージャーを形の上で雇用する。しかし、実際のトレードの裁量・決定については、ファンド側が持つという二重構造を作っていた。

 ブルームバーグがルネサンスの元社員ら、複数から証言を得て、該当するヘッジファンドが同社のメダリオンであることが判明した。また、銀行はバークレイズとなっている。

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