上場廃止のクロニクル、前会長は自殺していた

 昨年末にスイスのプライベートバンカー、霜見誠さん夫妻殺害事件でも注目を集めたクロニクル(7月17日ジャスダック上場廃止)で、2年前に亡くなったと発表されていた前会長は自殺だったことが14日わかった。前会長には会社の資金6000万円を使途不明にしていることも判明。会社側も事実は認めたが、「われわれも青天の霹靂でわかりません」とするなど理由は不明で、謎は深まるばかりだ。

生え抜きでワンマン

 上場廃止となるクロニクル。これまで、1980年に株式市場に上場し、その後は何度も社名を変えてきた。これまで繰り返し増資が行われ、低位株が突如として噴き出す「仕手株」の一つに数えられることもあった。上場後はFR、なが多、クロニクルなどと名前を変えて現在まで存続してきた。

 そのクロニクルが久々に脚光を浴びたのが、昨年末の霜見誠さん夫妻殺害事件。同氏のファンド「Japan Opportunity Fund」が2011年に新株予約券の受け皿となっていたこともあるからだ。もちろん、クロニクロが霜見氏殺害事件と関係していることはない。

 直接の上場廃止理由としては、四半期報告書が提出できなかったことだ。しかし、業績がずっと低迷している上に、「生え抜きでワンマン」(業界関係者)といわれる前会長が一昨年に亡くなってから、いよいよ内部統制が取れなくなっていた風情がうかがえるのだ。また、過去には、定時株主総会では、取締役4人の選任を決議できなかったり、従業員による横領なども明るみになっていた。

 その前会長が亡くなったいきさつは次のようなとおり。

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