税務当局が狙うルクセンブルクのパテントボックス

 スイスの隠し口座などは一昔前の話で、今年に入り「ルクセンブルク」を経由した脱税疑惑が目立っており、これも一つの時代の流れを感じさせる。

 まず「ドルチェ&ガッバーナ」のドメニコ・ドルチェ、ステファノ・ガッバーナの両被告に対し、ミラノの裁判所はすでにそれぞれ禁固1年8月(求刑禁固2年6月)と、罰金50万ユーロ(約6400万円)の実刑判決を言い渡している。2人は控訴する方向で、地元紙に対して、罰金次第では事業の継続を断念するとの意向も明らかにしたばかり。


 そうしているうちに、同じく伊高級ブランドのヴァレンティノの元会長だったマッテオ・マルゾット氏にも脱税の容疑がかけられていることが、地元紙に伝えられた。

 プライベート・エクイティのペルミラに、ヴァレンティノの株式約30%を売却した際に、7500万ドル(約75億円)を脱税した疑いがあるという。この取引にあたってはルクセンブルクの会社を経由させており、脱税の疑いを持たれているようだ。

 隠し口座などという明らかな課税逃れとわかるような原始的なものではなく、ルクセンブルク籍の会社を経由するという点を、当局が新たなシノギ口として突いているようだ。

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