年収1000万円くらいでは厳しい? 宝塚音楽学校

入るまでにすでに多額の塾費用が

 多くの私立学校が学費を一般公開しているように、宝塚も例外ではない。
 
・入学時納付金  48万円(入学金20万円、施設費10万円、教育補充費10万円、楽器補充費5万円、雑費3万円)
・授業料月額   5万円(2年間120万円)
・修学旅行積立金 2万円(2年間40万円)
・入寮費月額   7000円(昼・夜食は別途)

 他の各種学校と比べても高いものではなく、2年間の在籍で学費自体は一般的な収入の家庭でも通えないというわけではない。ただし、その在学中の前後も費用がかかるのだという。

 音楽学校は通常中学卒か、高校中退で入るかだが、いずれにしても、それまでに歌や踊りなどの基礎は学んでおかなければ、受験を突破することはできない。

 そのため元タカラジェンヌたちが開校した予備校で練習を積む。そのレッスン料は1回1000円ほどからで、個人レッスンになると1万円以上などになるという。衣装なども含めれば、月額数万円が必要となるが、回数や年数を積むほど上達するため、費用の出し惜しみはしない方が良いだろう。


天海祐希さん
 元合格者は「母親がわたしを宝塚に入れたくて、小学校に入るころからバレエ、声楽などを習っていました。でも、そこまで興味が持てなかったこともあるし、天海祐希さんみたいにすごい人の話を聞くと、自分にはそんな素質もないと思ったので入学はしませんでしたけど」と話す。

 73期生・天海祐希さんの名前が出てきたが、入学・卒業とも首席。全国紙文化担当記者によると、「宝塚の幹部たちが、入ってくれると聞いて、みんな泣いて喜んだと言われるほどの逸材でした」。さらに、歌劇団に入っても1年目で主演という超異例の出世。当然のように、宝塚のトップである男役トップスターにも就いた。退団後の活躍も説明するまでもない。

 上には上がいるため、入っただけで満足しているようではダメだ。この合格者は別の道を選んだが、ある意味で、それも正解なのだ。

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