厚生労働省の事務次官に就任した村木厚子氏。局長時代には郵便不正事件で逮捕され、大阪地検に取り調べを受けたが、証拠捏造など検察のあるまじき不正によって、無罪判決が出た。なぜこのような不祥事が発生したのか、検察庁とはどのような病巣を抱える組織なのか。元特捜検事でもある田中森一氏が解説する。(以下敬称略)
仕事は叩き上げ、出世はキャリア組と閨閥
霞が関
検察庁は法務省の一機関、検察上層部は官僚、そもそも基本的に検察の捜査方針はすべて国策によるもの。
前回の田中の指摘も含め、検察庁のそんな体質の中で、障害者郵便制度悪用事件の被告、村木厚子元局長の無罪判決。前田恒彦担当主任検事による証拠物件の改竄による証拠隠滅容疑、当時の前田の上司である大坪弘道特捜部長、及び佐賀元明副部長の犯人隠避容疑で、それぞれ逮捕という一連の事件が発生する。
「証拠品まで偽造とは異例中の異例だけど」
なぜ、そんな事態が生じるのか。