湾岸タワー物件、建物自体は心配ない?
例年は不動業界内では動きがない8月も、今年はモデルルームの来場者はひっきりなしだったそうだ。湾岸エリアの物件もそうだった。
「今後が確実視されるエリアと言えば、有明、豊洲、晴海、勝どき、月島あたりの湾岸エリアでしょう。人口は今の3~4倍になると見込んでいますから」と湾岸物件の売り場担当者A。
ただ、やはり2011年3月11日に発生した東日本大震災の時のように、液状化など地震による影響は心配になる。
副都心エリアの物件を担当するある販売員は「東日本大震災でも、浦安などの湾岸エリアは液状化はありましたが、建物自体はしっかりとしていました。防災面でも意識を払っているので、イメージよりは安心できるかと。ただ、出て行きたいという人が出てくるのと、買いたいという人がいなくなるのとで、一時的な需給バランスは崩れます」(同)と語った。
それでも、山の手の別の売り場担当者Bによると、タワーマンション購入者の中でも、新宿、池袋、中野などのタワーを物色する人は、湾岸エリアに目を向けることはあまりないという。湾岸エリアを好む人は、その逆の傾向があるのだという。ここら辺は各人の趣向によるところも大きいが、山の手エリアを物色する人の多くは、現在の住まいから近いという要素に加え、湾岸エリアへの警戒感があるという。
一方で、富久クロスザタワー、ブリリアタワー池袋、パークタワー西新宿エムズポートなど、新宿~池袋エリア(広く中野区も含め)は、抽選に漏れたという事情もあるだろうが、同じ人が内覧に訪れるケースが高いという。
池袋エリアはすでに坪単価が今年に入ってから200万円に達しており、タワーは軒並み完売続出。グランドミレーニア(池袋)なども申し込みが殺到すると見られている。「新宿、池袋のタワー物件は今後は賃貸も数多く出るはずですが、駅近のものなら売るにもそう困らないのでは」と販売担当C。
売り場担当者もそれぞれが意見も持っているが、同業他社物件のお勧めを教えてくれる際には、販売員間で意見が一致していたものがあった。それは何か。