価格下落で属性下落も始まる
仮にマンションを売却しないとする。そうなると一生ものの買い物になるが、そこで、実際に起きた話を紹介する。
まず、23区内の住宅街に10数年前に5000万円台でマンションを購入したという40歳代の会社員、Aさんの証言を紹介する。
「最近、ゴミ出しのルールを守らない人が増えたり、嫌がらせのように夜中にドラムか何か楽器を演奏する人がいたりする。なぜかと思っていたんだが、価格を調べたら、かなり下がっていた。当時とは属性が変わっているのかな?」と語る。
さらには頼みの綱である管理組合や管理会社もアテにならないのだとか。その上に修繕積立金が足りずに追加負担となって、住民間で激しくもめたこともあるのだという。「理事長が代々、お金で細かいことを言わない人だった」と漏らす。これも後の祭りだ。
誤解を恐れずに強いて言うが、不動産業界関係者の間では、値下がりリスクのあるところは住民の「民度」が下がるということが言われている。これは、どうしても住み心地が悪くなり、さらにトラブルを引き起こし裁判沙汰や、価格の低下を引き起こす。その上に、修繕積立金が足りないというトラブルまで抱えてしまうと、住民間に軋轢が出てきてしまう。そこに長年にわたって住まうことを想像したくないものだ。
もちろん、これも10年程度で売却していれば問題もなかったのだろうが、しかし売却するにしても価格下落による損は避けられない。
初めて買う際に、良い物件を買うことは本当に大切なことだ。