ゼネコン準大手の戸田建設が、創業家一族が相続問題で揺れている。
同社はその名の通り、戸田家が創業して現在にまでいたるが、今年に入ってから、社長の戸田守二氏(享年90)、会長の戸田順之助氏(同94)の兄弟2人が相次いで亡くなっており、現在も相続手続き中。行く末には、業界から注目が集まっているという。
戸田の帝王とその弟
戸田順之助氏の功績を紹介するページ
(戸田建設公式サイトより)
同社の歴史は古く、1852年、戸田利兵衛が創業。かつては、早稲田大学大隈講堂、駒沢公園整備陸上競技場なども同社が手掛けたものだ。1961年に戸田順之助氏が社長に就任し、株式上場も果たしている。
創業者の孫でもある順之助氏といえば、トップ営業でガンガン攻めるタイプで、全権を掌握していた猛烈ワンマンタイプであり、後任社長人事にしてもすべて決めてきた戸田の「帝王」でもあった。業界紙「建設通信新聞」によれば、2011年3月11日の東日本大震災が発生の際にも自宅に帰らず、そのまま社内に残って陣頭指揮をとったというつわものぶりと見せていたそうだ。90歳と過ぎていたにも関わらずだ。
しかも株式9.61%を保有する第2位株主でもある。弟の守二氏も2.97%を保有する。主なファミリー関係の株式保有は次のとおり。