政府や地方自治体、あるいは公共団体などは、上場企業の株式を保有しているが、資産運用というよりもむしろ放ったらかしにしているケースがほとんど。電力株など公共事業系の会社が多いが、人気個人投資家だった三空氏、現在は静岡市議となった池谷大輔氏(33)が29日、同市議会で、市が保有する中部電力株の今後の運用方針などについて、一般質問を行った。
昭和38年から累計配当額96億円
質問する池谷大輔市議(同市議会HPより)
静岡市は明治時代から中部電力の前身の時代に、電気事業を行っており、国が戦後になってから主導して複数の事業者が合併して現在の形になっている。その際に同社株約454万株を割り当てられたのが保有の経緯だ。簿価は1株=500円。その後は、静岡市に定期的に配当をもたらしてきた。昭和38年以降で、96億円に上るという。
池谷氏は「震災前はディフェンシブ銘柄で景気に左右されず安定配当が出た、ありがたい存在。しかし、安定した状況はもうない。(累積した配当)96億円よりも、ここ7年間で棄損している事実を真摯に受け止めるべきです」と続けた。
最近では2007年3月につけた4510円が高値で、2012年4月には804円に。時価204億7540万円から、36億5000万円にまで下落しており、棄損額は配当累計額の96億円を上回っていたことになる。現在でも取得単価500円を上回ってはいるものの、今は一時期よりも上向いたが、めまぐるしい価格変動のリスクに晒されていることは間違いない。
縁が深い電力株をどう考えるかという点については、各自治体の姿勢が問われている。