相続税対策「タワーマンション節税」は今後も有効か

キャピタルゲインも狙う

 「評価減を大きく取ることができて、安定した賃料収入があるタワーマンションを割安に購入して、相場よりも高く売却することです」

 そう話すのは、不動産マーケティング会社◆アトラクターズ・ラボの沖有人代表。タワーマンション節税を富裕層や投資家に行っている。最もうまく行う方法は、次のようになる。

 割安で評価減の大きいものを購入⇒ 売却までの間、安定した賃料を取ることができる ⇒相場よりも高く売却できる

 大切なことは、単に相続税対策のために評価減を取るだけでなく、インカムゲインとキャピタルゲインも狙うという三重の意味で利益を狙う点だ。購入したタワーに息子夫婦たちを住まわせようなどとはあまり考えない方が良い。というのも、税務署から「贈与」ではないのか、と厳しく追及を受けることは目に見えており、素直に第三者に賃貸して、インカムゲインを狙う方がいいだろう。

 そして、現在の不動産価格は上昇中で、東京都23区の中古マンション市場は直近の1年で見れば、年間変動率(13年1月~14年1月)はプラス3.3%と高くなっている
(野村不動産アーバンネット実勢調査調べ)。機を見ての売却でキャピタルゲインも狙うといいだろう。

 ただ、これが厄介な点でもある。

 湾岸エリアであ東京ツインパークス、さらには山の手エリアでもブリリアタワー池袋など高層タワーマンション(20階建て以上)の完売が続く。しかも、新築だけでなく、中古タワーマンションも人気化。沖氏は「(タワーマンション節税が)今は広まってきたので、出物のうち1割くらいしか勧められるものがなくなっています」と話す。

 つまり、最初の購入価格が高すぎれば、賃貸の利回りが低下する。当然、売却時の利幅も小さくなりやすくなる。少し別の対策を打っておく必要もあるということだ。

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