相続税対策「タワーマンション節税」は今後も有効か

中層物件と投資物件も視野に

 タワーマンション節税だが、タワーが相場よりも高くなった場合には、別の選択肢を持っておいても良い。沖氏によると、中層マンション、あるいは、一棟物の収益物件などで魅力がありそうならば、そちらに目を向けるのも間違いではない。

 相続対策の節税だが、あくまでも投資。トータルのリターンを考えると、絶対に高値掴みは回避しなければならない。インカム、売却益、すべてに悪影響を及ぼす。
 
 当然、物色する対象のエリアは、資産価値と流動性を考え、千代田、港、渋谷、中央、江東、新宿、品川、新宿、目黒、文京、台東の10区に絞る。あくまでも人の流入の見込める地域しか需要は発生しないと考えた上でのことだ。以下は2010年の人口を100とした時の、2020年の推計だが、10区は安定している。

    2020年
千代田 107
中央  115
港   107
新宿  104
文京  102
台東  100
江東  104
品川  103
目黒  100
渋谷  99
※国立社会保障・人口問題研究所

 また、物件のグレードが高ければ良いというものではなく、出口を意識して、あくまで売りやすい物件にこだわることだ。例えば、億ションになると、購買者が富裕層のみに限られるため、1億円未満のものにすることは必要だろう。投資用の一棟ものは、毎年、減価償却、キャッシュフローも減少していくために、適度なところで売却し、組み換えすることが必要となる。

 最後の販売の際に使う仲介業者は、売りと買い両方を行う「両手仲介」の大手ではなく、「売り専」の業者を起用するなどして、物件の価格を少しでも上げる努力を忘れないでもらいたい。これだけでも、数%から10%程度は価格が違ってくる。これで効果は最大限になる。

 今すぐに相続対策を考えている人ならば、有効な手段だろう。

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