ジャニー氏の夢に付き合うことができるか
・人材輩出のシステム化
・自前の劇場で公演
・TVのゴールデン枠の占拠
ジャニー氏は40年以上前に、「僕には夢があって、いつか必ず実現したい」と小菅氏に語ったそうだ。それが上の三点なのだ。小菅氏は「その頃、まさか実現するとは思っていませんでした」と振り返るが、今はすべてが実現しているではないか。
小菅氏は「昭和40年代に他の事務所が男の子を集めてデビューさせたけど、ダメだったのは、基本が違うからです。もう50年前からそれがブレていないんです」という。外見だけで繕ったとしても、やはり中身が伴わないものは無意味だということだろう。
「(ジャニーの)夢の同伴者でなければいけないのです」。やはり、これに尽きるだろう。
最初に挙げた10要素の一つである「運動能力」。歌は上達こそそれ、ダンスはなかなかそうはいかないという。ミュージカル、舞台公演を必須とするジャニーズのアーティストたちは、歌って踊る事は当たり前。ダンスはやはり外せない要素なのだ。
さらに、せっかくジュニアに入れても、デビューできないのではないか、との不安はあるかもしれない。しかし「まじめについて来るかどうかを見ています。最後はすくいあげている(デビュー)ような気がします。そこは夢の同伴者、ファミリーなんですよ」と小菅氏。認められたからこそジュニアになれたわけだ。あとは、努力をし続けるのみだ。
また、学業への支障を心配する人も多いかもしれないが、その点には理解が深いという。学業優先の意思を告げておけば、仕事の面でも融通を利かせてもらうことができるそうだ。
慶應幼稚舎から内部進学で慶應大経済学部を卒業した嵐の櫻井翔さんのような学業と両立しているアイドルも、最近では輩出している。中丸雄一、手越祐也、薮宏太(早稲田大)、岡本圭人(上智大)、加藤シゲアキ(青学大)、山下智久、小山慶一郎、伊野尾彗(明治大)ら大学名だけを見れば、一般社会でもそん色ないところまで来ている。
ジャニーズとは外からはうかがい知ることができない、一線を画すエリート集団である。入るためには、という視点で話を進めてきたが、入ってから天狗になる子は伸びない。伸びている子は、例外なく謙虚で努力を惜しまず継続するということは言うまでもない。