財団解散のソニー創業家・盛田家が信用を失ったある詐欺事件

ムシキングは大失敗

 ムシキングのパンは2005年に事業はスタートしたものの、翌2006年には大量に売れ残り。さらに続いて、デジモンシール入りのパンの販売計画も進めたが、こちらも失敗に終わった。結局は、足りない億単位の資金の穴埋めのために詐欺を働き、この創業者らは逮捕されている。

 「盛田アセットマネジメントに責任はないのか」

 2007年に行われた債権者会議では、盛田アセットマネジメントに対する怒号が飛んだという。やり場のない怒りを盛田家にぶつけるしかない債権者の思いが伝わってくる。結果的には、盛田アセットマネジメントは資本関係、さらには役員を複数出してはいても、直接は事件や倒産とは関係がなく、責任を問うことはできなかった。もちろん、資金を入れるべきであるとの意見も出るなど、厳しい声ばかりだったという。


 前出のマスコミ関係者は「名古屋はトヨタ自動車の印象が強いかもしれませんが、東京の方とソニーの話になったら、ルーツは名古屋なんですよ、という世間話をすることもよくあるほどです。その盛田アセットマネジメントが出資しているということで、取引に応じた人も多かったはずでしょうからね」と話す。

 さらに、ヒマラヤ東京の創業者は、未経験の食肉業界にも参入し、盛田家の名前を出すことで、その絶大な信用をバックに取引を行ったとも言われる。こちらもうまくはいかなかった。さらには、実態は不明だがベトナムへの投資を行ったり、程度はわからないものの、最後のよりどころは「盛田家」だったようだ。

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