渋谷区・広尾在住の大西加枝さん(29歳)。株式投資で作った資産を元手にして結婚相談所「アーク・ロイヤル」を起業した。男女ともに会員は、富裕層や年収1000万円高所得者が中心。「相手の希望年収は600万円以上」などという一般的な相談所とは違ったハイエンド向けの結婚相談所の中で繰り広げられる婚活とはどのようなものか、大西さんに聞いた。
◆金と時間があっても必ずしも幸せではない
まず、結婚相談所起業の前に、少し投資の話を。大西さんは株のデイトレードでかき集めていた貯金を元手に21歳でスタート。その後は月収200万円を稼ぐまでになった。株など投資の知識がなかったため、書店で株の本を購入。独学で株取引を学ぶうち、「取引って運動神経だな」と最初のうちはひたすら損切りの練習をした。
次第に「自分が社会にとって何者でもない」ということを、ヒシヒシと感じるようになっていった。お金と時間で幸せを買うことができないことに気が付き、そこに、
親戚が結婚相談所に転職したことで、仲人という職業を身近に知ることができた。
「それまで結婚相談所というと、モテない人が入るものだと思っていました。
けれども、実際登録している女性を知ったら、とてもきれいで、キャリアもある、素敵な人がたくさんいたんですね。でも、世の中のイメージは、かつての私と同じようなもの。そのため、結婚相談所のイメージをあげたいと思いました」
さらに、2011年3月に東日本大震災が起こり、家族の大切さを知ったのだった。