「ふるさと納税」の制度の利用者数は今や全国で10万人を超えており、大金が動くという意味では完全に定着したと言ってもよいかもしれない。各自治体がPRを行い誘致合戦が華やかだが、その一方で「単なる株主優待になっている」という声も出ていたり、賛成意見ばかりではない。納税者、自治体ともに、当初の趣旨とは少しずつ違ってきているようだ。
比較サイトも続々と誕生
「ふるさと納税」に関して、現在、確認できるだけでも次のような専門サイトが立ちあがっている。
「ふるさとチョイス」
「ふたくす」
「CityDO!」
「ふるさと納税応援サイト」
つまり、多くの自治体がふるさと納税のPRを行っているために、納税者側である我々も情報整理を行ってくれる、こうしたサイトに頼る方が比較がしやすいということになる。ただ、選ぶ側の視点は投資家目線になりがちで、「実質配当利回り」という観点で選びがちだ。もちろん、制度をうまく利用している点では、「賢い投資家」だと言うことができるのだが。
ふるさと納税とはそもそも、税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を行うために施行されたもの。2008年から始まり、2000円を超える部分について、個人住民税所得割の1割を上限として、所得税と合わせて控除される。
当初、想定されていた問題点としては、「義務=受益」の関係が不明確になる部分は否定できないという点。ただ、東京などの大都市に労働力を送り出した地方に、新たな納税による収入増の道を探るという意味で注目はされていた。
では、この「ふるさと納税」市場だが、例えば住民税の約1割が動けば、そのスケールは約1兆2000億円になると言われている。地方の自治体にとっては、相当な金額になる。ちなみに直近のデータは次のようになる。