銀座ナンバー1「筆談ホステス」斉藤里恵さん独占取材(1)

夜の銀座でモテるのはこんな男性

 華やかな銀座の夜。街を彩る主役はホステスたち。しかし、肝心の「お客様」がいなければ成り立たない。「入りたての頃は毎日くどかれていました」と里恵さん。ホステスは全ての客の相手をするのは当然だが、ホステスである以前にイチ女性。当然、個人的な好みは存在する。里恵さんの好きな男性を聞いてみた。

1.周りの方々から信頼されている方
2.人の気持ちを考えられる思いやりのある方
3.お金を賢く使える方

 「その3つがそろっている方です。プラス刺激的な方」

 シンプルにこれだけの要素が返ってきた。ただ、上記の条件が全て揃っていて、さらに刺激的な人というのは、それほど多くはないだろう。こんな男性ならば、さぞかし人気があるはず。里恵さんの経験でかつて、こんなお客さんがいたという。

 「すてきな文章にきれいな字で書かれた手紙にステンドグラス(その方の作品)が送られてきた時は、ステキだなと思いました」

 この男性は何と60歳代。上記の要素を満たした上に、里恵さんの誕生日に粋な贈り物。とても刺激的だ。「わたしのお客様はそんな方が多いように思います」と里恵さん。さすが優等生。即座にこういう言葉が出てこなければ、銀座の街でNo.1を張ることはできない。

 最近は「なぜか、くどかれる回数が減りました。しかし、今はくどかれないとやっていけません(笑)。『かわいいね』といつまでも言われたいです」と本心を明かした。カワイイと言われる回数は減っても、指名は途切れることはない。また別の人間的な魅力が増していっているということなのだろう。


「筆談ホステス」
 そうしている間にも、今年5月発売の著書はすでに5万5000部を突破。この出版不況の時代に、である。故郷青森県の大型書店では、村上春樹氏の200万部を突破した著書「1Q84」以上の売り上げになっているという。音のない世界に生きて来たからこそ、わかることもあるのだろう。多くの人が共感し心を打たれている。

 では、里恵さんがもし音を聞くことができたなら? 「ステキなお客様の声を聞きたいなぁと思います」という。もしも耳が聞こえたら違う道を歩んでいたかもしれない。実は19歳の時、一度は音が聞こえる世界を選んだことがあった。(つづく)

銀座ナンバー1「筆談ホステス」斉藤里恵さん独占取材(2)

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