新潟の「個人商店」からキャバクラ嬢のドレスというニッチな分野で年商3億円をあげて全国区になった「Sugar」の美人女性社長・清水彩子さん(32)。マルキューへの出店で東京進出も果たしたが、目標売上に到達できず撤退を余儀なくされた。そこから、売上はそれまでの順調さがウソのような落ち込みを見せる。2010年、ゆかしメディアでも東京進出を取り上げたが、気になる、その後を追った。
失意の撤退
渋谷ファッションの象徴でもあるマルキューこと「SHIBUYA109」。ファッション業界関係者にとってはステータスシンボルの一つでもある、このテナントに新潟県の会社の出店が許可された。それが清水さんの「Sugar」(シュガー)。キャバクラ嬢のドレスで年商3億円という実績を挙げての上京だった。2010年のことだった。
「うちはターゲットの年齢層がもう少し上だったこともあるんですけど、結果を出すことができなかったので、(退店は)当然だし、仕方がありません。まだまだ、やることがあったかな、と反省もあります」
当時を、そう回想する清水さん。結論から言えば、うまくいかなかったのだ。一定期間、売上高目標を達成できなければ退店する決まりとなっており、店舗面積や階数など条件面で恵まれていない面もあったが、惜しくも目標にはとどかなかった。
こうして、渋谷での出店はあっけなく終わったが、ここからの新たな戦いは、さらにたいへんなものだった。
売上が半減していた
「月次の売り上げが半分になっていたんです。わたしが新潟にほとんどいなかぅたことで、ミスが起きたり、商品の展開、広告の打ち出しからすべて違うものになっていて、今までのお客さんが離れてしまったのです」
ここでもう一度組織再建に着手しなくてはならなかったのだ。
Sugarのドレスは元々、清水さんが一人でデザインして製造を発注し、プロモーションを企画し、インターネットを中心に販売するというスタイルを取って大きくなっていった。法人化した理由は、個人商店としては売り上げ規模が大きくなりすぎたために、周囲からの助言を受けてのものだった。
つまり、今までの顧客は清水さんのファンでもあったのだ。清水さんが留守がちとなれば、顧客離れが起きてしまうのも当然だったのだ。