年収2億円、「ウルフ」村田美夏さんのもう一つの投資

損してもまた稼げばいい

 村田さんが専業投資家になる前に、日本長期信用銀行に勤務していたことは前回にも書いた。90年代後半という不良債権と格闘していた時代に、融資できるほどの自由度はなかった。その当時を「お金を出す担当をしていたにも関わらず、新規の貸し付けが自由にできなかった」と悔やむ。

 だが今は違う。それは自分で稼いだお金だから、誰の許可も要らない。出したい時に出したいだけ、投資すればいいだけだ。さらに、その際にも見返りは一切求めることはないという。


村田美夏さん
 「自分だけで使うよりも、その方が遥かにレバレッジがかかりますからね。元々トレードというゼロサムの中から奪い取ったものなので、分捕ってきたものを再配分しないといけないですし、いくらいいことばかりを言っていても、仕方がないので、自分が勇気を持ってお金を出します」

 まったく見返りを求めない投資だが、実は、投資した会社の数は30社くらいまでは覚えているが、そこから先は正確には覚えていないというほどで、実際にはもっと多い。その中からどこか、1社でも2社でも世の中の役に立つ企業が出てくるとしたら、トレード以上の喜びでもある。

 しかし、もし本当にすべてが無となったらどうするのか。

 「また、トレードで儲ければいいんですよ」

 あっさりと答えた村田さん。専業投資家として生きていけるという強い自信がうかがえた。

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