欧州にも100年、200年継続をしている上場企業は数多くあるが、第二世代以上を経た現在でも創業家ファミリーが大株主である企業の時価総額のランキングをジュリアス・ベアがまとめた。1位は製薬業界大手ロシュで1891億ユーロ、2位はアンバイザー・ブッシュ・インベヴで1354億ユーロで、この2社が突出していた。実は、株価のパフォーマンスも実はファミリー企業の方が相対的に良いことも明らかになっている。
信用不安も膨らむ個人資産
まず欧州の個人資産は2013年に、560兆ユーロに達した。その資産を成人一人当たりで見ると、16万7100ユーロとなる。全体として見れば信用不安があり、底上げはまだ先になりそうで、回復が遅いスペイン、ポルトガル、ギリシャ、キプロスなどは富裕層も元気がないようだが、ドイツ、フランスなどでは、富裕層、さらにはその上の超富裕層、大富豪の資産は増加している。
2019年には資産は40%増加し、約800兆ユーロに達する見通しだという。以下は、各国の資産100万ユーロ以上の富裕層と、全体に占める割合と示した。
ドイツ 143万3985 3.5%
フランス 133万4066 4.4%
イタリア 81万8538 3.4%
イギリス 79万6646 2.6%
オランダ 70万3108 9.1%
スイス 55万5483 13.0%
ベルギー 41万5117 8.5%
オーストリア20万298 6.3%
スペイン 16万8134 1.0%
ルクセンブルク5万612 22.7%
話をファミリー企業に戻すが、支配形態は株主としてで、経営者はプロに任せるという君臨すれども統治せずというのがやはり一般的だ。永年支配することで、技術の進歩、さらには世の中に雇用を提供するなどしてきた面もある。
第二世代以上続いているファミリー企業で時価総額のランキングを表にまとめた。