総資産30億円以上の超富裕層の資産約16兆ドル(約1880兆円)が、相続などで今後30年間で次世代に資産移転するという推計が発表された。これまでに人類で類を見ないほどの大きな資産移転になるという。また、日本人の超富裕層の総資産のうち1兆6450億ドル(約196兆円)が動くと推計されている。データはウエルスXとNLPの共同調査によるもの。
2014年末の超富裕層人口は世界で21万1275人、その総資産は29兆7000億ドル(約3543兆円)に上る。
超富裕層の中でも年齢が高い層が富を蓄積しているために、これからの資産移転が起きるということ。年齢別の人口割合と資産割合は次のようになる。
人口 1人あたり資産平均
40以下 6% 9400万ドル
40代 19% 1億1100万ドル
50代 31% 1億900万ドル
60代 25% 1億4600万ドル
70代 13% 1億9500万ドル
80以上 6% 3億500万ドル
特に今後の10年は80歳以上の資産が対象となり、今後30年にすると、超富裕層人口の増加とその資産増加によってさらに大きな移転が起きる構造になると予測されている。10年ごとの期間に分けて、その資産移転のペースを見ると次のようになる。
10年 1万5800人 4.1兆ドル
20年 4万7000人 9.2兆ドル
30年 9万9000人 16.0兆ドル
また、1年あたりの資産移転額と、1人あたりの資産移転額は次のようになる。
2014~2023 2024~2033 2034~2043
年平均額 4100億ドル 5100億ドル 6800億ドル
1人あたり 2.59億ドル 1.63億ドル 1.31億ドル
今後の推計では、2040年には超富裕層人口は55万人、総資産額は88兆ドルに達するため、移転資産の総額は大きくなることも想定されている。