中国共産党幹部がマネロンした京都・河原町の奥座敷

フェラーリ458スパイダーの半裸運転死亡事故

 その令計劃氏は胡錦濤前国家主席の側近であり、将来の常務委員(いわゆる神7の存在)入りにリーチをかけている状態であった。しかし、次男(当時23歳)が2012年3月に北京でフェラーリ458スパイダーを運転し自損事故で死亡。同乗していた女性2人も重体を負うという事故を起こした。その際に3人が全裸に近い状態で発見されるという特異性とハレンチさから、中国国内では直後にインターネット上では、フェラーリという用語が検索できない状態にもなったほどだった。


次男が運転のフェラーリ457スパイダー(ウェイボより)
 これが大きな理由か、常務委員会入りはなくなり表舞台からは完全に消えた。

 ただ、令氏は現在でも党の最大派閥である共青団の有力者であり続けている。「西山会」なる組織がその力の源泉となっており、現体制が組織の解体をもくろんでのものだとされる。このたび、香港メディアの報道で明らかになった内容としては、三菱銀行(三菱東京UFJ銀行)、富士銀行(みずほ銀行)。さらにはシンガポールにも口座を保有し、その資産総額は7000億円以上になるという。

 重慶市元トップの薄煕来氏(江沢民派)、党常務委員の周永康氏(胡錦濤派)、そして、今回の令氏(同)と中国では大物が次々と現政権によって放逐されていく。「汚職と腐敗の厳重な取り締まり」をうたいながらも、内実は違うようだ。

 上海出身の在日中国人ビジネスマンは「習近平国家主席は党内基盤が弱く、汚職の取り締まりの内実は、敵対する勢力の一掃です。それで自分自身の長期政権を築き上げるためです。特に江沢民氏を中心とした経済的な力を持つ上海閥ですが、もうひとつの権力の象徴でもある軍部にも影響力を持っており、今後、次々と退場させられることになるでしょう」という。

 きのうの権力者も明日はただの人になりかねないのが途上国の世の常。マネーロンダリングは繰り返されていく。

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