銀座ナンバー1「筆談ホステス」斉藤里恵さん独占取材(2)

銀座という場所


携帯電話で話す銀座のホステス
 一昨年からの不況で、銀座でも閉店に追い込まれた店舗は少なくない。「お客様に元気がないのが寂しいです」というように景気の良い頃に比べれば、少しムードが下げ気味なところは否めない。それでも街全体が「華」を失わないのは、里恵さんをはじめ多くのホステスさんたちの頑張りと、不景気にも動じない品の良い客層にあると言えばよいだろう。

 ただ、里恵さんには以前から銀座の街で気になることがあった。

 ホステスの中でも里恵さんの存在は相当に珍しい。いや皆無に等しい。だからこそ大きな話題となっているのだが、障害者のお客さんを見かけないのだという。日本の障害者は人口の約5%で、約600万人とも言われている。銀座にいても全然、不思議ではない。里恵さんは「銀座では障害者のお客様を見たことがありません」と残念そうな表情を浮かべた。

 「障害者の人は引っ込み思案で、遠慮をしているのかも」

 著書「筆談ホステス」を出すきっかけとなったのも、少しでも障害者の励みになってくれればという理由からだった。障害者の人も来やすい店。里恵さんの頭の中には、青森時代からずっとあった。その時の出会いが里恵さんの今の目標となっている。

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