東京の富裕層が起こす京都億ションバブルの未来

 昨年から京都の億ションが連日即完売という状態が続いている。80年代の終わり以来のバブル到来に東京の大手デベロッパーも参戦し、東京の富裕層も購入するという循環は今のところ止まりそうな気配はない。だが、ポテンシャル以上の加熱ぶりは坪単価400万円超えの億ションが出ていることにも表れ、東京で言えば千代田区、港区並みのところも。購入にあたっては、将来的な需給も考えた上で少し冷静な目が必要になってきている。

「京都3、東京3、大阪2」

 「東京の富裕層が全体の3割くらいを占め、億ションでも9割以上は売れているような状況です。少し前までは何をしても売れない時代だったのが信じられないくらいです」。

 こう話すのは関西の大手デベロッパーの中堅社員。京都の御所の周辺部分である「田の字」地区にできる億ションに、東京の富裕層と地元・京都の富裕層がバイヤー勢力となって高い需要を作り出している。そのため、東京の大手デベロッパーの進出も著しい。


プラウド京都麩屋町御池
 例えば、野村不動産初の京都物件として話題を呼んだ「プラウド京都麩屋町御池」(全43戸)が、最高価格1億3980万円という強気の値付けにも関わらず即完売した。申込者の属性は、平均年齢57.3歳、職業は会社役員27.9%、会社員23.3%、医師18.6%、オーナー経営者12.8%だった。居住地は京都府26.7%、東京都23.3%、大阪府14.0%だった。

 不動産経済研究所の調査によると、2014年の京都市内の1億円以上の物件は30戸供給されており、集計開始以降で最多となったほどだ。

 すでに東京23区の水準に並ぶ坪単価400万円以上の物件も出てきており、「これを通常の不動産市況であると見ている関係者はいない」(前出デベロッパー)と捉えられており、今後については慎重にならざるを得ないバブルに突入している。

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