京都以外に興味なし
理由は大阪よりも京都の方が好きというだけだ。
前出デベロッパーは「わたしが関西で個人的に推していた物件は、資産価値など諸々を考えて大阪・梅田のジオグランデ梅田茶屋町レジデンスと、グランフロント大阪オーナーズタワーくらいでした。ただ、京都の担当者によれば、『東京の富裕層は京都以外の物件にいっさい興味を示さなくて、例えば他の芦屋や梅田を出しても会話が成立しなかった』というんです。その感覚の違いには驚いていました」という。
京都の物件は売れないという先入観は完全に打ち砕かれた。さらに、東京では山手線の内側と湾岸エリアは人気化し、また、資材費、人件費など諸経費単価も上昇したことで物件価格が高騰した。だが、需要のある京都はまだ用地の単価が東京より低いこともあり、東京の大手デベの参入が激しくなっている。
地元・京都の不動産業者は「通常の取得費用が2割、3割増しは当たり前で、地元のうちらでさえ入る余地さえありません。坪単価500万円、600万円が(京都)市内でも出た、30年前のバブルのようです」という状態だ。
田の字地区という狭い範囲で、普段なら入ってこないような大きな金額が動いているため、バブルになるのは当然か。これから竣工する物件ですでに1億円以上の価格を表示されているものもある。下はその一部だ。
◆グラン レ・ジェイド 京都河原町 4230万円~1億1500万円
◆プリオーレ京都三条高倉 6700万円~1億4800万円
◆ザ・京都レジデンス 御所西 乾御門 4850万円~1億6900万円
◆キンブリッジ京都清水 1億円(4LDK)
また、下鴨神社、梨木神社に定期借地権付き物件が計画されるなど従来は考えられないようなマンション用地も出てくるなど、需要はともかく供給側から見れば、前出関係者は「あと3、4年くらいは止まりそうにない」と見る。