国税庁がこのほど発表した、2013年分の確定申告者の納税状況で、ゆかしメディアは、全国47都道府県の年収1000万円以上の割合の分布をまとめた。全国的に福島県を除いたすべての都道府県で年収1000万円以上の数は増加した。統計からだけでは読みとることはできないが、2011年3月の福島第一原発事故による被害は暗い影を落とし続けている。また、2013年は特に前半はアベノミクスが炸裂し、株価が急上昇した時期でもあり、年収100億円以上も全国で18人出たがすべてが株式譲渡か配当だった。
都市圏と沖縄で高所得者増加
前年の2012年はデフレのラストイヤー、年末から続くアベノミクス相場で日経平均株価は8000円台からわずか半年あまりで1万5000円台まで急騰した。2013年は高額所得者にとってはその影響が大きかったと見ていいだろう。
東京は年収1000万円以上がついに確定申告者中で10%を超えた。また、前年は高所得者が減少した神奈川、千葉も増加に転じるなど都市部ではこの傾向が著しい。北海道、宮城、愛知、大阪など100万都市を抱える自治体でその傾向がある。大都市ではないが沖縄は高所得層の増加が早く、1000万円以上の比率が4.86%となり、全国で10番目となった。
また、同じ被災地の東北でも、宮城県は急速なスピードで高所得者が増加。年収1000万円以上は2010年1万286人、2011年1万2947人、2012年1万5182人、2013年1万6523人となっている。ピークは過ぎたとも言われるものの、建設、土木業などを中心に仕事の需要は多く、また、消費面でも仙台市の歓楽街では時に行列ができることもあるという。
一方、福島は2010年の6944人から2012年の9611人まで大きく増えていたが、2013年は8393人となった。唯一の減少県でもある。