大塚家具父娘対立は相続のこじれ? 株券15億円は養育費か譲渡か

 大塚家具の創業会長の大塚勝久氏(71)、社長で長女の久美子氏(47)による委任状争奪戦が繰り広げられている。表では経営方針の違いをめぐっているように見えて、裏では相続面の争いの側面も強く、大塚家具と創業家の資産管理会社「ききょう企画」を通じた、株式約15億円分の「返せ」「返さない」の戦いも続いている。経営というオブラートで包んでいない相続の争い方が、一族の内情が見えてくる。

インサイダー取引~株式譲渡


大塚久美子社長
 家具業界に革命を起こした名物創業経営者にとって、自慢の娘がいつから憎悪の対象に変わってしまったのか。3月27日に東京都内で開催される大塚家具の定時株主総会に向けて、父と娘は連日のようにメディアを通じてお互いの主張を繰り広げている。

 企業のお家騒動は珍しくないので、実際にはネタにならないことの方が多い。しかし、大塚家具の一件は経済誌、一般紙だけではなく、TVのワイドショーでも取り上げられているほどになっている。

 まず、両者の争いに至るまでの経緯を簡単に年表にした。
2004年   【久美子】大塚家具取締役退任 ※以下敬称略
2007年   【大塚家具】インサイダーで課徴金命令
2008年    【大塚家具、ききょう企画】第1回無担保社債を発行 
2009年   【久美子】大塚家具社長就任
2013年   【勝久】ききょう企画を提訴(社債返還訴訟)
2014年   【ききょう企画】母・千代子、長男・勝之が取締役を解任される
【久美子】大塚家具社長退任
2015年   【久美子】社長復帰
       【勝久】久美子を提訴(株式返還訴訟)
       両者がプロキシーファイトを展開
※ききょう企画=大塚家の資産管理会社(現社長は久美子氏)
 お互いが争うようになったのは、2007年のインサイダー取引(継続的な自社株買いと増配のタイミングが一致したことが、インサイダーに該当すると判断された)が直接のきっかけ。これを機に、一時は大塚家具を離れた久美子氏が復帰をすることになった。その条件としてガバナンス強化のために、自社株式の相続を含めた提案を出す。それが現在、表の経営と裏の相続と合わせたもめごとになっているのだ。

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