大塚家具父娘対立は相続のこじれ? 株券15億円は養育費か譲渡か

最初から後継者は久美子氏の弟・勝之氏と決まっていた?

 勝久会長と千代子夫人はそもそも、長男で専務執行役員の勝之氏(久美子社長の1歳下の弟)を後継者にと考えていたとも見られる。この相続対策のための社債が発行される前の段階で、長男の勝之氏(久美子社長の1歳下)は大塚家具株800株を保有していた。それを平等に、他の4人に128株ずつ割り当てて贈与した。評価額は約5000万円で、1人あたりが各々、約2200万円の贈与税を納めている。

 勝之氏への持ち分について、ききょう企画の資産は約4億円だが、その大半は大塚株で、その半分近くを勝之氏名義にしていた。その点を勝久会長は「他の子には不満であった」としている。確かに勝之氏が長男ということもあるが、株式の保有数からすれば後継者と認定されているのと同じようなことだろう。

 だが、久美子社長側も「父はコンプライアンス意識に乏しい」としたり、社長就任は勝久会長からの打診であったという点を主張してもいる。

 また、勝久会長が株式の返還を求める理由の一つとして、東京・渋谷区の自宅と神奈川の別荘を埼玉に移転計画に際して3億円という資金が必要だったとしている。そのために、内々に二女に対して打診していたのだともいう。

 ただ、ききょう企画の社長だった千代子夫人も2014年に、長男・勝之氏とともに解任されている。千代子夫人は愛娘の久美子社長について「やっていることが、お父さんに対してひどい」とも述べている。

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