超有名店の経営権は2億円?
人気芸能人たちも通う別の超有名店「G」では、身売りを検討しているという報道が一部で出た。その額は2億円というものだが、実はこの話は、Gに近い関係者によると、ママはこの価格と報道には強く否定した上で怒ったのだという。株しかバブルものがない今のご時世に、そんな価格があり得るのかどうかはともかく、個人間での相対取引であるいじょう、真偽のほどはわからない。
「名店はわかりませんが、実際に銀座の店舗の経営権は、500万円くらいが売買の相場だと言われます。でも、2011年の東日本大震災以降は、タダ同然でも手放したいと考えているオーナーもいたくらいですが」(銀座のホステス)
いずれにせよそれなりの資金が必要であり、これが度を越さない範囲で節税をする動機の一つであるとも言われる。それが店舗を持ったり、店舗を拡大していく原資となるからだ。
「昔、銀座をタックスヘイブンだと呼んでいたお客さんがいましたが、長年続いている店はそれだけ鉄壁の節税策を取っているもので、そのあたりのことを言っていたのではないかと思います」と、前出の業界関係者は言う。しかし、その一方で別の業界関係者は「税務調査は一般の会社と同じように行われますが、そこは大目に見てくれていた部分もあったと思いますが、このご時世、(国税庁の目も)甘くはないということでしょう。それに、売上自体が落ちていますから、売上を上げたいと言う方が本音では」という。秀ママが語った動機の一つには、売上が落ちたことを挙げているが、今の時代を反映している。
当局の目が厳しくなったことで、タックスヘイブンの寿命は終わる。それ以前に、致命的なのは売上の減少という点はどうにもならないということだ。また、人的な資本であるホステスもあえて危ない橋を渡ろうとしないように意識が変わってきていることもあるだろう。
さて、秀ママだが、すでに延滞税、追徴金などは完納しているために、実刑だけは逃れた。「40年にわたり貯めてきた老後の資金があります。食料を買うお金はあります」と余生はおとなしく隠居することになりそう。自身がまいた種ながら、銀座のレジェンドの晩節としてはあまりにも残念な終わり方となった。