「富裕層の心に刺さると話題のベストセラー本、『億男』著者が本当に見た億万長者の世界」

「お金持ちになるルール」がある

高岡:小説の中で、「お金持ちなる人は、そのためのルールを知っている」と登場人物が語るシーンがあります。富裕層であればあるほど、そういう「お金が増える正しい情報」を貪欲に自ら買い求めていく。逆に、お金持ちじゃない人は、そういう情報が存在していること自体を信じません。

そういう意味で、経済的に成功するかしないかは、実は本人の能力や運よりも「正しい有益な情報を知っているか、知らないか?」で差がついてしまっているのが現実です。

川村:仕事やお金との関係がうまくいっている人の共通点は「正しい情報」を知っていて、それについて「人より多く考えている」ことだと思います。お金がない人はお金がある人を見てそこに「マジック」があると思っていますが、実はお金持ちは、当たり前のことを当たり前にやっているだけなような気もしました。ただ、その当たり前のことをやり続けるのがむずかしいんだと思います。

高岡:今度はそこからさらに難しいのは、小説にも出てきましたが「君にお金持ちになる方法を教えよう」みたいな怪しい億万長者養成セミナーみたいなものが世に溢れていること。
結局、「情報の真贋を判断できる知性やセンス」が無いと、経済的成功につながらないのが現実です。知人の子供が慶応横浜初等部に今年から入るのですが、「これからの時代で一番大切なのは、情報の真贋を見極める能力だ。」と学長の方がおっしゃっていたそうです。そのためには意識して本物や良質な情報に触れ続けないとセンスは磨かれません。身も蓋も無いのですが、分かる人には分かる。その点、小説『億男』は本物の情報だと個人的に感じました。

もはや「金さえあればOK」という時代では無い

高岡:最後に、金融資産5,000万円以上の準富裕層、金融資産1億円以上の富裕層は、全国400万世帯居らっしゃるのですが、その方にメッセージをお願いします。


川村:小説に書いた通りなのですが「億男」になった瞬間、人はお金にコントロールされがちです。ただ、それはむなしく、幸せからほど遠いところにあるような気がします。やはり大切なのは「お金と幸せの答え」を自分なりに見つける事なのではないでしょうか。

今はお金を何に使うのかを考えるのがむずかしい時代。昔のように「お金さえあればOK」という時代ではないし「お金がなくても幸せ」というのも信じられない。いまどき、お金があるだけで尊敬されることは、正直あまりない。だから「品」とか「格」とかを大事にするために、お金を使うようになってくるのではないかと思います。「お金とは何か?」を正しく知り、客観的にお金に向き合う。そうすれば、お金にコントロールされる側ではなく、お金をコントロールする側に回れるのではないでしょうか。

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