維持費年間3000万円、頭悩ませるプール付きタワーマンション

「カースト」関係なしに活発な意見交換


 上層階の住民にとっても(すべての人が反対のわけではない)プールについては悩みのタネの一つでもある。前出の住民は「そもそも行かないから、誰が使っているのかさえ知りません。わたしも、家族も使っていないですし。聞く話では、出勤前に軽く泳いでいく人、子供といっしょに使う人などいるそうですが、詳しくはわかりません」という。

 購入する際にはプールは施設として良いと思ったそうだが、現在はまったく使わない。実際には多くの住民にとってはそんな存在になってしまうのか。

 一般にタワーマンションでは「カースト」と呼ばれる存在がよくメディアでも取り上げられるようになった。一般的に上層階の方が価格が高額なために、下層階との間で無意識のうちの序列が、特に女性の間でできやすくなっているというものだ。

 だとすれば、上層階の人はプールの維持管理費についてもケチケチ言わないのではないかと思えばそうでもないらしく、総会では住んでいる階に関係なく活発な意見交換があるという。

「特に利用者が少ない早朝などは温水をやめる」
「温水の温度をキープするためにシートをかぶせる」
「定期清掃は住民たちもできるだけ手伝う」
「外部への有料貸出も検討する」

 ちなみに、温水プールを水にしてはという意見までは出なかったそうだが、これらの方法を仮に行ったとして、具体的な削減金額としては、年間で数十万円~百数十万円くらいのものだという。インパクトのある金額にまでは達せず、なかなか大変なようだ。

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