都心億ションの中国人「爆買い封じ」に値上げで対抗? ブリリアタワーズ目黒

2年後に値上がり予想の値付け

 最上階の4億5900万円の物件は坪単価が1000万円を超える。また、スタジオタイプでも5000万円以上で、投資目的で購入して元を取るに、かなり厳しいように見える。
 
 ただ、一概に中国人富裕層対策とばかり言えない事情があるようだ。

 他社の大手デベロッパー社員は「この物件の値付けには注目していた」という。城南五山の一角を占めるエリアで高級住宅街ではあるが、JR山手線内側にはさらにブランドエリアもあり、今後の市場を占う意味もあったからだという。駅徒歩1分という立地の良さもあるものの、相場のバランスを取る意味もあって特にJR山手線の西側の各駅は軒並み、ブリリアタワーズ目黒以上の価格付けをしなければならなくなる。

 前出デベロッパーは「予想外に価格を上げたのは、労務単価・資材単価の上昇を吸収する意味が第一にあります。もうひとつは、ブリリアタワーズ目黒は2年後の2017年に竣工なので、そのころまでにさらに相場が上昇している可能性もあり、それも見越しての価格付けをしていることが考えられます」と説明する。


北京のマンション
 中国人頼みではなく、日本の富裕層頼みで売り切る自信があるということか。中国人は、日本の不動産市場からいつかは必ずいなくなる時が来る。遅くとも東京五輪が開催される2020年の直後にはいなくなると見られる。

 「中国人は北京五輪を経験して、五輪が儲かることを経験的に知っていますから。これからは、五輪が行われる場所に次々と投資先を移していくのです。また、北京五輪の後も上海でも手付金を捨ててでも解約したり、とにかく何でも決断が早いのが特徴です。東日本大震災の後もすぐに日本からの投資を引き揚げましたから」と前出の中国人A氏は言う。

 バブルとは買える人がいなくなった時点でゲームセットが起きる。中国人富裕層の利確と損切りは日本人よりもはるかに早い。ブリリアタワーズ目黒の価格は、今後にどのような影響を与えるのだろうか。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる