昨年、工事による致命的な不具合が発覚し、手付金、お詫び金を補てんした上で契約者との契約をいったん白紙に戻した「ザ・パークハウスグラン 南青山高樹町」。実はこの物件、中には節税対策で購入したものの、節税が失敗に終わった上にお詫び金が上乗せされてかえって利益が出てしまった例もあったという。
入居目前に発覚した工事不具合
超高層タワーマンションや億ションの主要な買い手である富裕層だが、その購買動機の一つが相続税などをにらんだ節税対策だ。立地も良く売主・三菱地所の最高峰ブランドシリーズでもある「ザ・パークハウスグラン 南青山高槻町」もその対象となったのだろう。業界関係者は次のように話す。
「ご存じの通り建設工事で不具合が発覚したマンションですが、現場の話では、節税対策で購入した富裕層もいたそうです。実際には手付金が返ってきたので、しかも迷惑料込みで利益まで出ていますからね。おまけに年度末で、処理はできたのでしょうか」
もちろん、すべての契約者がそうということではない。ゆかしメディアでは昨年、この工事不具合についてパークハウスグラン南青山高樹町で発動した「バブル物件、3月入居物件は買うな」のセオリーとして取り上げているが、年度末の物件は避けろとも業界内では言われているものの、まさかこのクラスの分譲億ションで、しかも三菱地所×鹿島という組み合わせで起きたことが衝撃を与えた。
「ザ・パークハウスグラン 南青山」(2014年3月)
入居するはずだった時期が2014年3月末。契約者への説明会は3月14、15の両日というひじょうに慌ただしい年度末になった。