◆「生活保護受給者専用」は避けろ
前出理事長によると、サ高住の採算ベースに乗る入居率は最低でも3分の2以上だという。「生活保護受給者狙いで家賃水準をそこに合わせているところもある」といい、また、仲介業者には「要介護4以上の人」という入居者紹介の要求が管理会社からあるそうだ。医療費目当てではあっても、今年度からは介護報酬の改定が行われ、オーナーの収入は減少している。
もちろん、今回のテーマは投資ではなく居住を検討するにあたっての選び方の話をするため、話題を移すが、入居を検討する際は、こうした現象も一部の現場では現実であることを予備知識として踏まえた上で、選別していかなくてはならない。まずは費用が極端に安すぎないものを選ぶことは最低限のフィルターにはなりそうだ。
まず、サ高住の定義は高齢者向けの住宅であって、安否確認と生活相談のみが必須のサービスが付くことになっている。登録制度の概要は次の要件を最低限、満たすもののことを言う。
○住宅 床面積原則25平方メートル以上、便所・洗面設備等の設置、バリアフリー
○サービス サービスを提供すること(少なくとも安否確認、生活相談を提供)
○契約 高齢者の居住の安定が図られた契約であること
前払い家賃等の返還ルールおよび保全措置が講じられていること
特別養護老人ホーム、有料老人ホームのような介護を必要とするのかどうか。その必要がなく、その上で自由度の高さでサ高住を選べばよいかというと、そんなに簡単な話でもないのだ。例えば、サ高住でも「特定施設」が付けば介護費用が定額となるため、介護付有料老人ホームにイメージは近くなる、という具合に。様々な要素が入り混じって、サービス競争となっている面がある。