ごみ屋敷初の氏名公表 不動産投資家が確認しておくべき対策2点

 大量のごみを貯めて近隣住民に迷惑をかけている、いわゆるゴミ屋敷の問題で、福島県郡山市は全国で初めて所有者の氏名を公表した。また、同市では、同時に強制的に撤去するために近く、行政代執行手続きを行う。このように戸建てに対しては近隣住民の安全、環境の保全、さらには景観の保護のために動くようになってきた。ただし、賃貸住宅やタワーマンションに関しては行政レベルでの取り組みはおろか、調査・検討レベルでもない。不動産投資家に
とっては自衛レベルで動くしかないのだが、対処方法をいくつか確認しておきたい。特に今後はタワーマンションの案件も発生するとみられており、費用の増加など懸念点もある。

 まず、国土交通省が2009年に行った調査では、全国250市区町村でゴミ屋敷が少なくとも存在する。埼玉県が2010年に県内の自治体を対象に行った調査「『ごみ屋敷』問題の現状と課題」によると、行政が解決した事例は全ごみ屋敷中の約27%という低い割合にとどまっている。

 その理由としては、「認知していても市町村が介入する法的根拠がないと考え、対応が手つかずとなってしまっていることが分かる。県内アンケートでもごみ屋敷に対応できる条例を制定していると回答したのは8団体である。個人の敷地問題ととらえているために、市町村は介入することが難しいと考えていると推測される」と、自治体介入の法的根拠がないことを指摘する。

 一戸建てでさえ、こうした状況なのだから、賃貸マンションなどはなかなか発見が遅れることにもなるが、一般には家賃滞納者に多く見られるという。ゆかしメディアは過去に、◆不動産投資家必見!「ゴミ屋敷」で200万円損する前に◆として、実例を基にしたその後の処理に言及しているのだが、不動産投資家にとっては、ごみ屋敷が1軒発生するだけで解決には、物理的、法的なものも含めて200万円以上は費用がかかる。

 さすがにお金とエネルギーを浪費することになってしまう。ごみが原因の汚部屋の対策としては、有効な対策として二つことが言われている。

 まず一つ目は賃貸借契約を自動更新ではなく、契約期間が満了すればいったん契約が終了する「定期借家契約」にしておくことが望ましい。例えば2年の契約であれば、契約更新をしなければ良いことになる。

 二つ目は、設備点検を定期的に行うことだ。実は清掃会社に清掃を依頼してくるきっかけの一つが、設備点検などで立ち入りがあるがために、慌ててきれいにする必要性に迫られるというのだ。近所付き合いもない偏屈な老人がごみ屋敷を作るという先入観が一般的にはあるが、実際には有名企業のアッパービジネスマンだったり、若い女性だったりということも多いのだそうだ。

 分別収集や、ゴミ出しの日が細かく決められていたり、ルールが厳格な自治体やマンションだったりすると、近隣住民に注意を受けて、出しそびれるようになることもあるのだという。また、仕事が忙しく不規則な生活になってしまい、一度出しそびれて、以降もずっとコごみを貯めるように習慣化していくのだという。

 消防設備、排水設備、ベランダなど共有設備をはじめ設備点検を定期的に行うことは欠かせない。

 さて、タワーマンションについてだが、清掃業者の間では手間が倍は掛ると戦々恐々なのだという。セキュリティの厳しさや、外部業者が使えるエレベーターの時間が決まっていたり、なかなか骨が俺そうだという。当然、費用も倍以上ということになりそうで、オーナーはその覚悟が必要だろう。

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