シンガポールの富豪に学ぶ資産形成方法

 年収10億円、資産1000億円のアジア大富豪50人以上を顧客に持つ、シンガポール在住の国際税理士、石田秀明(ヘンリー・イシダ)氏へのインタビューの後半。
 前半記事「世界の富裕層が住むシンガポールのメリット」はこちら

 シンガポールにはお金持ちが多いとのことだが、彼らの資産形成方法について聞いた。

「事業投資が多いですね。たとえば、マレーシアのコーヒー豆をシンガポールに流通させるというビジネスプランをある投資家が持っていたら、仲間内でそのプランについての検討をし、良いと思った人たちが投資します。

 仲間内で投資し合っているのですが、排他的というわけではありません。その資産家たちにつながれば、普通の人でもいいビジネスプランと思われれば投資をしてもらえる可能性があります。シンガポールで成功するには、人脈は本当に大切ですね。


石田秀明氏
 私はシンガポールの成功者には正直な人が多いことに気がつきました。やはり人は正直な人に大事な自分のお金を託すのですね。正直であることはお金持ちになる最も重要な要素のひとつだと思います。

 富裕層は、家族や親族単位で資産運用を考えています。たとえばファミリートラストを使って家族単位で資産の運用をする。運用できる金額も大きくなり、非常に効率的ないい方法だと思います。

 相続税はないにしても、誰に何を渡すかをきちんと決めておくと相続で家族がもめるのを避けられます」

 石田氏の話から、お金持ちは家族単位でしっかりとお金を守り増やしていることがわかった。投資はどのような人がしているのだろうか。

「シンガポールでは、投資は、富裕層に限らず、普通の人たちがしています。日本で普通預金をほとんどの人がする感覚で、シンガポールでは投資をほとんどの人がしているという感じです。
 アルバイトの若い女性が『不動産に投資していますよ』と私に教えてくれたことがあります。

 お金のことを話すのは普通のことで非常にオープン。人に何でも質問して情報を集めるとファイナンシャル・リテラシーが上がるし、より良い投資ができますね。
 でも私の会社の従業員達が給与明細を見せ合っているのを見た時には、さすがにぎょっとしましたよ(笑)」

アジアの大富豪が常にしていること

 アジアの大富豪達も石田氏の顧客であったりメンターであったりするのだが、実際につきあってみてわかった大富豪の特徴に、私たちが真似できるような考え方や習慣はあるのだろうか。

「アジアの大富豪は、常に投資について思考する習慣があり、数字に強く、フットワークが軽いですね。投資案件があると聞けば、すぐに見に行っています。
 その割に不動産は現地に見に行かずに数字を見ただけで買ってしまうこともあります。もちろん、前提として信頼できる業者さんからのきちんとした情報ということがあるでしょう。
 彼ら彼女らは意味のわからない投資はしません。全部理解した上で着手しています。他人に良いと勧められても鵜呑みにせず、情報を精査して最後は自分で決断します。

 彼らの見た目は、お世辞にもきれいと言えない下着みたいな服を着ていたりする人もいます。口を開けば質問が鋭いのでわかるのですが、ぱっと見ではお金持ちかどうかわかりません。
 接待や仕事関係者との食事ではアルコールは摂取しない習慣がありますね。食事を終えてからバーなどでアルコールを飲みます」

 食事の最中も情報を得る時間と考えているのであろうか。常に投資について考え、数字に強くなり、フットワークを軽くすることを心がけてみるとよいのかもしれない。最後に石田氏の著書『ひと粒でいい! お金の種を植えなさい』で伝えたいメッセージをお願いした。

『ひと粒でいい! お金の種を植えなさい』で伝えたいこと

「この本では、自分の経験と、日本人の富裕層や個人投資家、また大きなお金を動かすアジアの富豪たちから学んだことに基づいて、資産の殖やし方やお金の考え方を紹介しています。
 最も伝えたいのは、富は思考から生まれるので、日本人が持っている『投資』に対するネガティブな考えを捨てて、きちんと調べてお金の種を植えて育ててほしいということ。
 日本人は、政治でも制度でも、これまでお上から与えられてきたから、考える習慣がありません。受け身ではなく、自分で種を見つけ、植えて、育てるといった投資に対する積極的な姿勢と心構えや投資マインドがあるといいと思います。『投資』と身構えずに、お金のことを『考える』ところから始めたらよいでしょう。お金について考える時間をぜひ持ってほしいですね。
 会社員であれば就業規則を読んでみて福利厚生の使い方を考えてみる。社宅家賃制度を使った方が住宅手当をもらうより得だとか。手取りが増えることがあるでしょう。
 お金のことを考え、長期投資をして富を得てほしいと願っています」

●インタビュー・構成
 星野陽子(インタビュアー、著者、不動産投資家)
 東京都出身。外資系メーカー、シティバンク勤務を経て、イスラエル国籍のユダヤ人と結婚。子ども2人に恵まれるも離婚。在宅で翻訳の仕事をフリーランスとして行いながら、シングルマザーとして子どもを育てた。
 東欧からの移民の子で資産ゼロから財産を築いたユダヤ人の義父から不動産投資を学び、投資物件(6億円)などの資産を築いた。著書に『ユダヤ人と結婚して20年後にわかった金銀銅の法則50』『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』『貧困OLから資産6億をつかんだ金持ち母さんの方法』がある。

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