2016年も残り1カ月となった。
今年のうちにぜひ済ませておきたいことの1つが、ふるさと納税だ。
収入のある人ほど有利な制度ゆえ、富裕層にはかなり知られているため、今さら説明は不要だろう。
実質負担額が2000円で、寄附をした自治体から様々なお礼の品をもらうことができ、地域を応援することができる。
平成27年度は約1653億円がふるさと納税により全国の自治体に寄附された。総務省の発表によると、件数は約726万件、これをふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」の過去のデータ等から試算すると納税者人口の3%程度と想像できる。
「ふるさと納税でない」ものは淘汰の流れ
ふるさと納税をめぐっては、これまで、いろいろな議論がなされ、否定的なコメントも多々あった。
富裕層の税金逃れの手段かのように言われたときもある。
(なぜ国が後押しするかについてはのちほど述べる)。
ふるさと納税をめぐって今年起こった変化の1つが「ふるさと納税の趣旨に反するようなお礼の品の送付については、各自治体が適切な対応に努める」ということだ。
ある自治体にふるさと納税をすると、お礼の品としてその自治体内にある店舗で自由に使える感謝券がもらえるところがあった。
その感謝券をうまく活用することで、様々なメリットを得ることもできた。
感謝券と一口に言っても、中にはプリペイドカード、商品券、電子マネー・ポイント・マイル、通信料金等のように金銭類似性の高いものもあり、これについては、総務省がお礼の品として不適切であると自治体に通達を行い、お礼の品としての提供を見直す動きもあるようだ。
ほかにも家電がお礼の品としてもらえる自治体もあるが、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」では、独自の掲載基準を設けている。
同サイトは「地方創生の観点からふさわしくない」と思われるお礼の品に関しては順次掲載しないなどの措置をとっていることから、お礼の品は地場産業の振興等に寄与する、地方創生に関連するものが中心となっていくことが期待される。
12月31日までに自身の控除が受けられる上限額の範囲内で寄附を行い、支払いまでが完了した寄附額が、翌年に確定申告等をすることで税金控除の対象となるからだ。
なお、申込みおよび納付期限は自治体によって異なる。
また、現在はクレジットカード決済が普及し、ネット上で簡単に寄附を行うことができる。