安倍首相の真珠湾訪問 この先どう影響する?

訪問はトランプ陣営にも高評価?

 今回の訪問はオバマ陣営に対してだけでなく、今後の日米関係にとっても好影響と言えるだろう。

 国際的なコンサルティング会社、ユーラシアグループのアジアアナリスト、スコット・シーマン氏はワシントンポストのインタビューにて、トランプ陣営もこの度の日本の決定を評価するだろうと語った。


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 なぜ評価するのか。トランプ氏が大統領になっても、対日本の政策にとりわけ目新しいものがないことをゆかしメディアは伝えてきた。
アメリカのTPP離脱は日本にこう影響する
 日本とガッチリ付き合う、日本を保護するよりも、日本には自立してほしい、米軍もあまり配置したくないのがオバマ政権であり、それはトランプ氏も同じ路線だ。

 アメリカにとっても、本心では日本とは適度な距離を保ちながらも、関係は強固なことをアピールするうえでも、今回の真珠湾訪問は大きな効果を持つだろう。
 アジアの勢力図を考える上でも、手は引くが存在感を示せるうまいやり方だ。

 ロシアはアジアに対する存在感を強めたいと考えており、そのうえで中国は一番のライバルだ。トランプ氏も中国が大きくなることを警戒し、先日は台湾の蔡英文総統と電話会談を行い、ツイッターで中国を非難するなど、中国をけん制する動きを見せている。

 オバマ政権はロシアに対し敵対的なスタンスをとってきたが、トランプ氏のロシアに対するそれは現政権よりも好意的だ。
 中国抑えこみの上でロシアが力を増すのは悪くない。

 そしてそれは、日本にとっても同様だ。現政権に対しても集大成として様々な歴史に残るアクションを起こし、それが次期政権にとっても歓迎される動きとなり、さらにアジアのライバルである中国にもにらみを利かせられる。

 ハワイで慰霊と合わせて行われる首脳会談の内容にも注目が集まる。

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