富裕層のためのセブ島英語留学

日本から4時間半、セブ島への道

 留学でセブ島を訪れる日本人の数は、今や年間3万人を超えているという。


説明を聞く小泉進次郎氏
 人気は高まっているとはいえ、多くの人の反応は「フィリピンに英語留学?」というものではないだろうか。

 ゆかしメディア編集部は、実際に効果があるのかを体験すべく、セブ島留学を体験取材した。

 セブ島に行く飛行機は複数の航空路線があり、ANAなど日系航空会社の便もあるほか、最近ではLCCも飛んでいる。
 最も本数が多く、行きやすいのはフィリピン航空だ。成田空港からは1日2便が毎日運航している。
 フィリピン航空の飛行機に搭乗し、日本からの所要時間は4時間半だ。

窮屈な飛行機、聞き取れない英語……

 フィリピン航空の飛行機の乗り心地はどうかというと、機内は決して広くない。少々窮屈と言えるレベルの大きさだ。
 座席に日系便のようなモニターや、スピーカー等はない。機内の娯楽はほとんどなく、日本とフィリピンの移動に慣れていると思われる乗客は、タブレットなどの娯楽を多々持ちこんでいた。

 機内食はチキンカレーなど日本食と、「セブポーク」というフィリピンの料理が選べる。日本食を選択した場合、頼んだものがカレーでも、食べるためについてくるのは箸だ。

 4時間半後、セブ島に到着。
 フライト中に機内に流れていた放送は英語だ。ネイティブのような強弱のはっきりした、聞き取りやすい英語ではない。
「この英語を習うのか!?」と少々、少々どころかだいぶ不安になる。

 荷物を受け取り、入国手続きをしてセブ空港の外に降り立つ。
 訪れた11月はセブ島の雨期に当たり、空気は湿気を含んでいる。雨期といってもいつも雨が降っているわけではなく、時々激しい雨が降ったのちに止むを繰り返す。

 セブ島はフィリピンでは首都マニラに次ぐ第二の都市ということになっているが、その規模は10分の1、日本で言うと東京と沖縄ほどの差がある。
 その意味では洗練された感じはなく、セブ島も、いわゆる「東南アジアの街」の1つという感じだ。


セブ市内の様子。いわゆるアジアの雑多な街だ。
 デコボコした道路に、道を挟んで立ち並んでいる露店。

 たくさんの数のオートバイや、荷台まで人や荷物があふれんばかりに乗っているトラック。

 セブ島に電車やバスなどの公共交通はない。

 そのため英語留学をする場合は、その語学学校のバスか、ホテルから学校に通う場合はホテルのバスに空港まで迎えに来てもらう、もしくはタクシーを利用することになる。

 それほど距離が長くない場合は、ジプニーというタクシーのようなものも利用可能だ。

 最近ではセブ島でも渋滞がひどいとのことで、渋滞に巻き込まれると、道が空いていれば30分もあれば行けるところを1~2時間かかることもよくあるという。

学校があるのは、フィリピン最先端の地域

 空港から車に揺られて30~40分、あまり便利とは言えないところを抜けていくと、突然現れるのが近代的な高層ビル群だ。入口も4カ所に限られ、すべての入口にガードマンがいる。そのセキュリティを抜けて入る、その場所が「ITパーク」だ。


セブ島イチの安全な場所、ITパーク。 英語学校はここにある
 ITパークはフィリピン政府が国をあげて安全を守っている経済特区に指定された場所で、治安は相当によく、その周りの地域と雰囲気がまったく異なる。

 高層ビルが次々に立ち並び、マクドナルドやスターバックスなどの外資系ショップがたくさんあり、24時間営業の店のライトが夜も街を明るく照らす。

「JPモルガン」と書かれているビルのほか、京セラなどのフィリピンオフィスもこの場所にある。立派なオフィス街だ。

 現在建設中のビルも多々あり、経済成長率7%の国の力を感じさせる場所だ。

 そのITパークの真ん中、京セラも入っているビルの上の階に、今回体験取材をするフィリピン最大規模の語学学校「QQ English」のITパーク校はある。
 学校のIDカードを見せなければ、ビルに入ることはできない。セキュリティも万全だ。

 QQ Englishの創業者、藤岡頼光氏は、かつて自身がセブ島に英語留学をした際、利用したのは韓国人が運営する学校で、宿泊していたのは施設の外に一歩も出られないようなスラム街にある施設だったという。
 確かに英語は身につく環境かもしれないが、それでは日本人にはとても続けられない、またせっかく留学するからには実際に英語を使う環境にしたい、そして何より、外国を感じること、留学しているフィリピンの今を感じることができる場所にしたいと考え、最初の施設をITパークにつくった。

 施設を見せてもらった。京セラも入っている大きなビルの7、8、9、10階の4フロアがすべて学校になっており、生徒の最大収容定員数は250人。8階のQQCafeというフリースペースでは食事ができる。食事は1階の日本食レストラン「Q兵衛」で作っており、3食を学校内で済ませることができるほか、外の飲食店に食べに行くことも可能だ。

 7階の教室は防音設備の整った、マンツーマンレッスン用の部屋。グループレッスンのための部屋もあり、授業に集中できる環境が整っている。


オープンスペースの授業の様子
 10階は7階とうって変わり、音楽が流れるほか、鳥かごがあり中にはインコがいて、レッスンの声なども聞こえてくる賑やかなフロア。

 防音設備を整えている一方で「人間は多少ガヤガヤした雑音が聞こえるほうが集中できる」とされていることから、2つの部屋を用意している。

 なお、飛行機でフィリピン人の英語の発音に不安を抱いたが、結論を言うと発音の問題はまったくない、むしろフィリピン人教師の英語はどの人も非常によい発音で、聞き取りやすいものだった。

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