モエ・エ・シャンドン醸造最高責任者来日セミナーレポート

6種類のシャンパンをテイスティング


シャンパンについて解説するゴエズ氏と通訳の方
 今回出たシャンパンは、ノンヴィンテージの「ブリュット アンペリアル」「ロゼ アンペリアル」「ネクター アンペリアル」、ヴィンテージの「グラン ヴィンテージ 2003」「グラン ヴィンテージ ロゼ 2003」「グラン ヴィンテージ 1995」の6種類。定番の味からレアなヴィンテージまで、フルコースを味わうようにシャンパンが次々と出てきます。セミナーの内容としては、モエ・エ・シャンドン社の歴史や伝統、現代のシャンパンの傾向、ノンヴィンテージとヴィンテージの違い、シャンパンの質を保つための苦労などでした。

 モエ・エ・シャンドンは1743年設立という長い歴史と伝統がある、世界最大のシャンパンメゾン。同社はシャンパーニュ地方で最も畑の所有面積が広く、1000ヘクタール以上のクオリティの高い畑を所有しています。260年の歴史が培った伝統にももちろん重きを置きますが、時代に合わせて革新していくことが大事だという、シャンパン作りにおける同社の哲学が詳しく語られました。

 歴史という部分では、セミナー参加者からの質問に答えるかたちで、ナポレオンとモエ・エ・シャンドンの関係も紹介されました。モエ・エ・シャンドン創設者の孫は、ナポレオンと同じ兵隊学校の生徒だったそうです。2人は仲の良い友人であり、ナポレオンは出兵する際、いつも同社に立ち寄ってシャンパンを飲んでから出かけていました。「ブリュット アンペリアル」などの商品名の一部になっている「アンペリアル」は、元々ナポレオンに敬意を表して付けられたことが始まり。フランスの歴史に寄り添う同社だからこそのエピソードだと言えるでしょう。

 技術的な部分では、ノンヴィンテージとヴィンテージの違いについて。ノンヴィンテージは3種類のブドウをバランスよく配合して作る、各シャトーのスタイルと個性を表現する味です。伝統を守り、毎年同じ味とクオリティを保つ必要があり、フィギュアスケートで例えれば規定演技のようなもの。一方ヴィンテージは、収穫した年のブドウの特色を自由に表現できるため、フィギュアスケートのフリー演技のようなものと解説されました。また近年は人々の生活スタイルや嗜好の変化に合わせて、シャンパン造りの際の加糖(ドザージュ)を減らす傾向にあるとのことでした。


左より「ブリュット アンペリアル」「ロゼ アンペリアル」「グラン ヴィンテージ 2003」 「グラン ヴィンテージ ロゼ 2003」「グラン ヴィンテージ 1995」「ネクター アンペリアル」

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