ガンダムが30年ヒットした秘密2(富野由悠季監督)

それでも新しい芽は出てくる

 富野氏は、今の教育システムがクリエイターを育てないという持論の持ち主でもある。世界中のアニメ製作の現場でもデジタル化の波が押し寄せ危機にあるとする論を展開しているが、日本の次世代のアニメ製作の担い手たちについて、どう考えているのか。

 「アニメやマンガを考えているだけでは、作品が作れるとは思わないでほしいですね。アニメが好きでスタジオに入ってきた人はステレオタイプになってしまう。だから、皆さんが見ている今のアニメというものは必ずしも豊かではないと思います」

 いわゆる「専門バカ」を危惧する発言だが、実際にアニメばかりに触れて育った人だけではガンダムを超えることできないということなのだろう。30年という時はあまりにも長かった。だが一方で、富野氏は新しい世代の人たちに希望も持っているようだ。

 「これから2~3年、20代後半から30代前半の人々が、まったく違う形のアートなり芸能のスタイルというものを打ち出すのではないか、とも思っています。マイケル・ジャクソンさんを見ればわかる通りです。出てきてから、もう20年以上が経ちます。だから、出てこないわけがないのです。新しい人たちの持っているポテンシャルというものが発露されるのがこれから2~3年、新しい形、違う形での文化論やカルチャー論、アートが現れてくると思っています」

 ガンダムを超えるヒット作品の出現を待とう。それと同時に、ガンダムはあと何年生き続けるのか、どこまでのロングヒットになるのか。

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