おすすめしない投資信託の特徴8選|銘柄を見極めるポイントを紹介
投資信託の銘柄は6,000種類近くあるので、どれを選べば良いのかわかりにくいという方も多いことでしょう。投資信託の中には、投資家にあまりおすすめできないものもあるので、どのような投資信託がおすすめできないのかを知っておきましょう。
以下に紹介する投資信託は、損失が発生する可能性が比較的高いと言われています。もし金融マンに勧められた場合は、目論見書などで内容をよく調べてから購入するようにしてください。
テーマ型
テーマ型の投資信託は、おすすめできないと言われることがあります。テーマ型投信は、バイオやフィンテック、AIなどある特定の分野の銘柄に集中的に投資をする商品です。
そのため、投資をしている分野全体に大きな損害が出た場合やブームが終わってしまうと、一気に価格が暴落することがあります。
テーマ型投信は「ロボット銘柄」「AI銘柄」「ESG銘柄」など、今が旬の特定のテーマに特化しており、ブームの渦中にあるときは大きな利益を狙えます。しかし、ブームが過ぎ去ると投資家から見向きもされなくなり、暴落してしまうことがあります。
また、テーマ型投信が注目されるのはブームが最高潮に達したときであるパターンが多いです。そのようなタイミングでテーマ型投信を購入すると「高値づかみ」になるので注意しましょう。
毎月分配型(分配金受取型)
「毎月分配型(分配金受取型)」の投資信託は、おすすめされないケースが多いです。毎月分配型は配当金を毎月現金で受け取れますが、複利運用ができないため資産を大きく増やしにくいです。
中長期の運用で資産を大きく増やしたい方は「再投資型」の方が向いています。再投資型だと分配金を再投資して複利運用ができるので、複利効果の恩恵を受けて資産を大きく増やせる可能性があります。
例えば、100万円を年利5%で複利運用すると10年後には163万円、20年後は265万円、30年後には432万円に増やせます。一方で毎月分配型の単利運用の場合は、毎年5万円ずつの分配金しかもらえず、30年間で150万円しか資産は増えません。
投資信託のタイプ | 100万円で運用した場合の30年後の資産 |
---|---|
再投資型(複利運用) | 432万円 |
毎月分配型(単利運用) | 250万円 |
※概算のため、手数料は考慮せず計算しています。
ただし、生活費の足しなどにするために分配金を毎月受け取りたい場合は、再投資型よりも毎月分配型の方が向いています。
信託報酬が高い
信託報酬が高い投資信託は純利益が少なくなるので、資産を増やしたい方にはあまりおすすめとは言えません。信託報酬は運用中にかかる手数料であり、利率は銘柄によって異なりますが0~2.6%程度になります。
投資信託は購入手数料と信託報酬、信託財産留保額の3種類の手数料が発生しますが、信託報酬は保有期間中かかり続ける手数料なので、特に注意が必要です。信託報酬は目安として1%を超えると高い部類に入り、利益が出ても手数料で相殺されてしまうことがあります。
なお手数料の詳細は、投資信託を購入する際に交付される目論見書に掲載されています。投資信託を購入する場合は、必ず目論見書の内容を確認しましょう。
ランキング上位である
人気ランキングが上位の投資信託も、それだけを理由に購入するのは避けた方が無難です。投資信託の実際のパフォーマンスと人気ランキングの順位には全く関連性がなく、ランキングが上位の投資信託は必ずしもパフォーマンスが高いわけではありません。
ランキング上位の投資信託は過去の運用パフォーマンスが良好だったものが多く、過去は良くても現在のパフォーマンスは低下している場合があります。例えば、テーマ型投信は人気が高いうちは利益を出せても、人気がなくなると昔のような利益は出せなくなるケースがあります。
なお、金融マンが勧める投資信託はランキング上位のものが多いです。金融マンが勧める投資信託には、手数料が高いものが多いので注意が必要です。
ファンドラップ
専門家に全てを任せて運用するファンドラップは、資産を増やしたい投資家には向いていないという声も多いです。ファンドラップは販売手数料がかかりませんが、運用時には信託報酬の他に投資顧問報酬が発生するので、手数料が割高になります。
ファンドラップの投資顧問報酬は年間1.3~1.8%程度になり、信託報酬と合わせると年間で数%程度のコストがかかります。
つまり、年間で5%程度の利益が出ても利益の大半は手数料として消えてしまう計算になり、ファンドラップの実質的なパフォーマンスは高いとは言えません。ファンドラップは販売手数料が0円であることだけが強調されていますが、他の手数料が高いことには注意が必要です。
アクティブファンド
投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドがありますが、アクティブファンドは初心者にはハードルが高めの商品と言えます。アクティブファンドは高利回りが期待できる反面リスクが高く、大きな損失が発生する可能性があります。
投資の初心者や安定的な資産運用をしたい方は、アクティブファンドよりもインデックスファンドの方が安心です。インデックスファンドはアクティブファンドと比べるとリスクが低く、比較的安定した運用がしたい方に向いています。
さらに、アクティブファンドはインデックスファンドの2倍以上のコストがかかるので、運用コスト面でもリスクが大きい手法になります。
REIT
不動産投資信託のREITもリスクが大きいので、あまり知識がない投資家は注意が必要です。個人投資家の間でも「REITはやめとけ」という声が多くありますが、それは分配金が下がってしまうリスクが大きいからです。
不動産投資は空室リスクがあり、空室が発生しやすい物件だと投資家に配分される分配金が下がりやすいです。特に2021年現在においては、テレワークの普及やコロナ禍による飲食店の撤退などで空室リスクが高まっており、今後分配金が大きく低下する恐れがあります。
またREITは、投資先の上場廃止や倒産によるリスクもあるので、安定性を重視したい方は他の投資手法を検討した方が賢明です。
純資産総額が減っている
純資産総額が減っている投資信託は、運用が上手くできていない可能性があります。どのような理由で純資産総額が減っているかにもよりますが、元本を取り崩しながら分配金を支給している場合は要注意です。
運用が上手くできている投資信託では、利益から分配金を支給できます。しかし、運用が上手くできていないと元本を取り崩して分配するしかなく、いわゆる「タコ足ファンド」の状態になることもあります。
タコ足ファンドは毎月分配型の投資信託に多いので、運用報告書などで運用の実態を調べたうえで判断しましょう。
投資信託自体をおすすめしない声も多数
ここまで、おすすめしない投資信託の特徴について見てきましたが、「投資信託はやめとけ」というような、投資信託自体をおすすめしない声も多いです。投資信託自体をおすすめしない理由として多いのは、手数料が高いというものです。
投資信託は購入時・運用時・換金時の3回にわたって手数料が発生します。特に運用時にかかる信託報酬は投資信託を保有している間はかかり続けるので、運用期間が長くなるほど手数料の負担も大きくなります。
また、投資信託の運用はプロのファンドマネージャーが行ってくれますが、銘柄の選定は自分で行うことが必要です。
6,000種類近くあるファンドの中から利益が出そうな銘柄を選ぶのは至難の技で、投資の知識が不足している初心者にとって、投資信託はハードルが高いかもしれません。
また、投資信託での運用失敗例が知りたい方は「【投資信託の失敗例】失敗談ブログや実例から学ぶ成功法!」をぜひ参考にしてください。
なお、投資信託とヘッジファンドの違いが知りたい方はヘッジファンドと投資信託の違い比較表!意味や資産運用の特徴はどう違う?」をぜひ参考にしてください。
投資信託以外でおすすめの資産運用方法は?
ここまで見てきた通り、投資信託にはさまざまな種類があります。一時的に注目を集めている分野にのみ投資をしているものや、元本を取り崩して分配金を支払うものなど、投資家にデメリットが多い商品も存在します。
投資信託は、2021年7月時点で6,000種類近く存在するため、「どの商品に投資をすればよいのか」もしくは「投資信託以外での投資を考えた方が良いのか」と悩んでいる方も多いでしょう。そんな方は、ぜひヘッジファンドダイレクトにご相談ください。
ヘッジファンドダイレクトでは、投資家のニーズに合わせて運用実績のある優良ヘッジファンドを紹介しているので、投資信託以外のあらゆる金融商品も組み合わせて、オーダーメイドの資産運用をサポートしています。