「コンビニより多い」は嘘ではない
街を歩くと、目にとまるのはコンビニエンスストア。よくもここまで増えたものだと思うが、実は、よく目を凝らせば、それ以上に歯科医院の方が多く目に付く。
それもそのはずで、昨年の全国の歯科医院数は約6万8000件。都道府県別では東京都内が最も多く約1万1000件となっている(厚生労働省発表)。それに対して、全国のコンビニ店舗の増加は続いているが、コンビニチェーン12社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会によると約4万2000件。どちらの数が多いかは比べるまでもない。
さらに最近は、「歯科医院が1日1件倒産」などというセンセーショナルな報道も目立つようになった。診療報酬も、保険の点数で決まっているために、なかなか差のつけようも難しく経営努力も実りにくい。加えて人口の減少も考えられるため「歯科医院は自分の代で終わり」と決心する歯科医も出ているようだ。
当然ながら、割を食うのは現在の歯科医の卵たち。いずれ2代目、3代目たちは、将来、自分たちが第一線に出る時が来る。では、今、何を思い、考えているのだろうか?
東京・銀座にある山田歯科の長男・山田剛士さん(24)は歯学部に通い、現在は国家試験を控える身だ。いわゆる2代目にあたるが、将来に対する漠然とした不安を抱きながら歯科医を目指している。ジュニア世代の胸のうちを聞いた。
山田剛士さん(手前)と院長(山田歯科)