つなぎ売り
投資で勝てない人の特徴の一つとして、損切りができないということがある。ただ、損を認めることは誰しも精神的にはキツい。それでズルズルと負けが大きくなり、塩漬けとなってしまう。特にFXはレバレッジがかかっているために、倍率を高く設定している場合は悠長なことは言っていられない。
そこで、山田さんが考えたのは、「ツナギ売り」(つなぎ売買の応用)だった。「ずっとトレード画面に張り付くということは専業でもないかぎり難しいので、何とか自動化できないか、と考えたのがツナギ売りでした」と山田さん。特別に新しい手法ではないものの、意外と体系化されていなかった。
しかし、FXでは「OCO(オーシーオー)注文」を出すことによって比較的簡単にツナギ売りを行うことができる。OCO注文とは、一度に二つの予約注文(利益確定売り、損切りの売り)を出しておくという方法だ。例えばロングで行くならば、利益確定の値幅を損切りよりも少し高く設定しておけば、利益は出やすくなる。
ではドル/円のトレードに即して、1ドル100円をスタート地点として仮定して説明していく。まずは値上がりと値下がりで売値を決めてしまう。例えば(1)104円で売り(2)97円で売り、を同時に予約注文。次いで(3)106円で売り(4)95円で売り、を予約注文する。これを連続で行うと、効力を発揮するようになる。以下、4つのシナリオで考えてみる。
ケース1、(1)104円から(3)106円=利益10円(2連勝)
ケース2、(1)104円から(4)95円=利益マイナス1円(1勝1敗)
ケース3、(2)97円から(3)106円=利益3円(1勝1敗)
ケース4、(2)97円から(4)95円=利益マイナス5円(2連敗)
つまり、ケース4さえ出なければ、1勝3敗でも利益は出るような仕組みとなる。もちろんケース4となっても損失は限定されている(スプレッドと税金は含まず)。資金と時間がないため、さほど大きな成果はあげてはいない。ただ、FXだけでなく株式投資にでも、レンジ相場においては、有効な投資手法ということもできそうだ。