中卒で100億円の資産を築いた組立工・大根田勝美氏(後編)

子供には苦労をさせろ

 「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」の読者の間でもそうだが、富裕層全般に興味関心が高い子弟の教育。中卒のたたき上げで上り詰めた大根田さんは、教育に対してどのような哲学・方針を持っているのだろうか。実際にアメリカで2人の子供を育ててきた経験をここで語ってもらおう。

◆大根田さんの話
 まず、アメリカに住んでいるとはいっても日本人ですから、やはり日本語ができないといけないと思い、妻の母親を日本からわざわざ呼んで、日本語を学ばせるようにしました。だから、子供は2人とも日本的な感性を持っていますね。

 あと、自分が中卒だったから、子供たちには苦労をさせまいと思いました。でも、今から振り返ると、恵まれすぎて育ったのかもしれません。素晴らしい子供に育ってくれたとは思いますが、もっと苦労をさせたら良かったなとも思うことはありますね。

 2人ともアメリカで大学を出ましたが、必要以上に温室みたいな場所に置くのは良くないでしょうね。それよりは、普通の環境に慣れさせた方がたくましく育つように思います。たとえ、どんなに苦労をしても、子供が後で幸せになるなら、それで幸せだからです。相続ですか? 最低限のものしか遺しませんよ。

 教養を身につけるのと同時に、同じくらい大切なことは底辺でも生活していくことができる強さやたくましさを身につけることなんです。やはり、苦労は金を出してでも買わないと、人間は成長しないものですよ。

 わたしは、裕福に生まれなかったことを恨んでいません。そのおかげで、両親の苦労や愛情も受け止めることができたのですから。(おわり)
中卒で100億の資産を築いた組立工・大根田勝美氏(前編)


大根田勝美氏が作製のスイーツ

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