王侯貴族が集うスイスの名門校「ル・ロゼ」での高校生活【2】

ル・ロゼからケンブリッジ大学へ進学

―卒業後は海外の大学に行こうと初めから考えていたのですか?

Uさん:「いいえ、卒業後は日本に帰ろうと思っていたので、海外の大学はありえないと思っていました。でも2年経って英語に慣れてきたとき、海外を考えてみようかと思いました。それなら、せっかくだからケンブリッジ大学を考えてみようと。ル・ロゼはインターナショナルスクールですが、ケンブリッジはイギリス人メインの学校だから、また全然違う世界です。」

―将来はどんな仕事に就きたいと考えていますか?

Uさん:「ケンブリッジでは教育学と音楽学を学んでいますが、将来のことはまだあんまり考えていません。日本に戻るか、海外にいるかはわからないですが、国際関係の仕事ができればと思っています。」

 昨年秋からのケンブリッジでの生活にもすっかり慣れて、今は大学生活を満喫しているとのこと。高校1年生からボーディングスクールという、一般的にはかなり遅めの留学スタートですが、しっかり海外の大学へと進学できる学力を得て、充実した学生生活をおくっているようでした。

 「ル・ロゼはとってもユニークな学校。こんな学校は世界に1つしかありません」と笑顔で語ってくれたUさん。他の学校と最も異なるところは、「やりたいことを何でもやらせてくれる」こと。キャンパスが季節によって移動する、乗馬からスキーまで多種多様な趣味・スポーツができる、必要であれば1人の生徒のためにでも教師を雇うなど、学生に惜しげもなく費用をつぎ込むその姿勢は、確かに一般的な日本の学校では考えられないことです。世界の王室関係者や著名人の子息が集うのも、他の学校ではありえない寛容さがあり、1人1人の生徒に合わせた教育を施してくれるからでしょう。

 またUさんとの会話にも出ましたが、留学を考える際に最も大切なのは、家庭ごとで「何を最優先させるか?」ということが明確になっていること。語学を優先したいのか、日本人としてのアイデンティティを優先したいのか、その場合、タイミングはどこがベストなのか。家庭ごとに異なる教育目標があるはずで、それを「一般的にこの時期で、この方法が良いとされているから」という大雑把な一言で括ることはできません。子供をどのように育てていくか、それをできるだけ子供が小さいうちに決めることが、留学を成功させる上では最も重要なことだと言えます。

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