不動産バブルに“拉致される”中国経済

ベンツに乗って低所得者住宅を買いに来る

 不動産価格の高騰は、中国庶民の消費意欲の増加を妨げているのは明らか。先日閉会した両会(全人代と全国政協)でも「不動産には必ず住居者がいるようにする」という提案が出されたが、こうした提案は全体の半分以上を占めたという。

 こうしたバブルについて、様々な議論が行われているが、実際、言うは易しいが行うのは難しい。例えば、政府が現在実施している低所得者層向け安価住宅「経済適用房」政策には異論を唱える声が多く噴出している。

 両会に出席した広州富力集団社長の張力(ちょう・りき)氏は討論の中でこの保証制度に対し、「多くの人が高級車にのって経済適用房を買い求めに来ている。こうした人は幾つかの部屋を買い求め、価格が上昇すると売却して何百万もの利益を手にしているのだ」と指摘した。

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