すべて国債で運用し教育事業に資金投下
実際にこの10億円は、本人の希望したとおり教育事業に用途を限定して使われている。同市教育委員会によると、すべて国債による運用で、2500万円の利息で事業を行っているという。国債にした理由として担当者は「ご寄付以前に、本人を交えて何度も話し合いの場を持ちました。そして横溝さんの意向もありましたが、寄付していただいた大切なお金ですので、目減りさせることは絶対に許されませんから、自然と国債で運用するという結論になりました」と説明した。
2008年に行った具体的な事業としては、母親の子育てをテーマにした講演会（講師・坂東眞理子氏ら数人）の開催、教諭を対象にした研修会、文化やスポーツなどに秀でた成績を残した生徒へ表彰、また横溝千鶴子教育基金記念事業「日々のおしえ」などだった。そして来年度からは、奨学金の貸付（1人あたり1年60万円）を行っていくという。これらは2500万円以内で収まる見込みで、剰余金は翌年度に繰り越されるそうで、やはり大切に扱われていた。
