昔ながらの日本の住まいが空間共有
頭のよい子が育つ家とは、五感を適度に刺激する家ということ。親の気配が感じられる、家族の声がする、それが逆に子どもにとって安心できる環境なのです。考えてみれば、これは昔ながらの日本の家そのもの。もともと日本の家は田の字型構造で、障子やふすまで空間を可変的に使っていたので、家族の声や気配をいつでも感じることができた。
ところが近代的な住まいでは、無理やり仕切って外部からの音が聞こえない空間を作ってしまっています。そういうことを見直そうというのが、私たちの提案している五感の家なのです。
新しい戸建のモデルハウスが横浜の青葉台と四国の新居浜に間もなく完成するのですが(4月中を予定)、今回のコンセプトは〝頭のよい子が育つ窓〟です。元来の戸建の場合、三次元空間が売りなのですが、今回は2階の床から1階にいるお父さん、お母さんを見下ろせる〝窓〟を設置しました。いつも下からお父さん、お母さんを見上げているこどもにとっては、全く逆の上からの視点で両親を見下ろせる新しい空間提案です。
「お母さん窓」からは、キッチンの真上でいつも家族のために家事をしてくれているお母さんを見ることが出来ます。「お父さん窓」からは、お父さんの食卓を真上から見下ろすことによって、将来、お父さんと同じ味付けの料理を食べる日を想像することが出来ます。
頭のよい子が育つ家や食卓などでのインタビューで判明した、母親の背中、父親の背中を異次元空間から見下ろすことについての大切さを体現した住宅です。Cくんが慶応義塾中に合格した家
「住まい方」の提案企業、スペース・オブ・ファイブ株式会社代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社を経て2003年12月より現職。記憶に残る空間で人をもてなすという日本の古き良き住文化の継承をテーマに活動し、人気私立中学合格者の学習環境調査を実施。今必要な子供たちの学習環境をテーマにしたセミナー等を通じて、新しい住まいのあり方の普及に努める。著書に「頭のよい子が育つ家」(日経BP社)、「頭のよい子が育つ本棚」(学習研究社)、「頭のよい子の家にはなぜホワイトボードがあるのか」(主婦と生活社)、「頭のよい子が育つ食卓」(朝日新聞出版)など。大学生の息子2人と中学生の娘の父。