史上最高年俸3700億円のヘッジファンドマネージャー

乱世の覇者


デビッド・テッパー氏
 ロシアが債務不履行に陥り、ドリームチームと呼ばれたヘッジファンド、LTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)が苦境に立たされた1997年。この年は業界に激震が走ったことは言うまでもなく、多くのヘッジファンドが損失を強いられた。

 だが、その直後に果敢にロシア国債を買い向かったヘッジファンドがあった。それが、デビッド・テッパー氏率いるアパルーサ・マネジメント。97年にはマイナス29%から、翌98年にはプラス60%へと、パフォーマンスを劇的に伸ばした。

 そして、2009年。年末に、米紙ウォールストリートジャーナルには、最も稼いだ人物の一人はヘッジファンド運用会社アパルーサ・マネジメント社長のデビッド・テッパー氏だろう、と報道された。その際の報道によれば、同社の稼ぎは70億ドル(約6300億円)で、うちテッパー氏自身は25億ドルを手にする見込み、となっていた。

 しかし、報酬額は実際に報道された25億ドルをはるかに上回る40億ドルだった。この驚異的なリターンを上げた手法と、このマネージャーの人物像を見てみることにする。

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